人材派遣の契約形態は、依頼する企業と派遣会社が労働者派遣契約を結んで、その派遣会社から人材を派遣するものです。労働法が適用されますので、法律上の期間制限があるので雇用期間に制限がかかります。さらに報酬も労働力に対して支払われることになります。
また一般的な人材派遣のほかにも、チーム派遣など特長のある派遣スタイルも存在します。これは複数名の派遣スタッフを1つのチームとして一括して派遣する方法で、チームリーダーなどの管理レベルのスタッフも一緒に派遣することにより、勤怠管理などは派遣チーム内で行う仕組みです。
製造請け負いの契約形態は、依頼する企業が請負会社と請負契約を結んで、その請負会社から成果物を納品するものです。報酬は、スタッフの人数と勤務時間による労働力ではなく、納品された成果物に対して支払われますので、契約期間などはありません。また労働法も適用されません。
一般的な派遣スタイルの場合は、依頼する企業が派遣されたスタッフに対して指揮命令をします。現場での管理職やチームリーダーなども依頼する企業側の社員ですので、そこから派遣スタッフへの指示となります。
ただし、チーム派遣などではやや仕組みが異なり、依頼する企業の社員から派遣チームのリーダーを通しての指示となる場合もあります。
請け負いになりますので、指揮系統も請負先の企業となります。請負先から配属された現場の管理者からスタッフへの指揮命令となり、労務管理や安全衛生もすべて請負先の管理となります。
繁忙期や増産時の数ヶ月だけ、社員に欠員が出た場合の補助としてなど、必要な人材を短期間で雇用できることが、メリットといえるでしょう。また依頼企業から直接指示を出すことができますので、意思の疎通やトラブルの際にも社員が直接介入できます。
人材派遣が適した課題としては、現場の人手不足、ライン増設や急な増産、最新の法令の遵守などがあげられます。
人材育成のコストを削減できるのが、請負のメリットです。報酬が成果物に対してとなりますので、生産性を上げるための教育などは請負企業が自社スタッフに対して行うことになります。また、指揮命令を行うのも請負先企業となりますので、依頼する企業が現場へ社員を配属する必要がなく、人件費の削減にもなります。
請負が適した課題としては、現場で指揮できる社員がいないために製造工程のすべてを任せたい場合や、請負先のノウハウを活かしたい、予算を抑えたい場合などがあげられます。