QCとは英語のQuality Control(品質管理)の略語です。サークル活動の誕生は、1950年代に日本の産業界が安定成長期に入り、品質管理が一斉に導入されたことがきっかけです。1962年には現場での品質管理の普及を目的として『現場とQC』という雑誌を発刊。これが現在の「QCサークル」誌です。その創刊号で当時編集委員長だった東京大学教授の故石川馨氏による、QCを学ぶグループ結成の呼びかけにより、QCサークルが誕生しました。
QCサークルは、勉強したことを現場の身近な問題に適用して改善する活動で、その現場改善の体験を発表するものがQCサークル大会と呼ばれています。日本が発祥のこのQCサークル活動により日本製品の品質が向上したことから、海外でも導入されるようになりました。
QCサークルとは、現場で働く人が継続して製品・サービス・仕事などの質の管理・改善を行う小グループです。その基本理念は、
という3つから構成されています。
小集団改善活動とも呼ばれているQCサークル活動は、その名の通り、一般的には10人程度の規模で活動を行います。特長は、そのグループ内でサークルリーダーや書記という役割分担を全員が担うことで、職場で自主的に製品などの質の管理や改善に取り組むこと。テーマの検討や現状認識と目標の設定、問題となる原因の模索、対策実行を行い、最後に効果測定と共有をします。
この品質向上や改善とは、製品のみではなく業務も含まれます。例えば、業務プロセスや作業ルールの見直しを通して、業務の平準化や生産効率向上を図ることも意味します。
品質向上は当然のメリットですが、その活動そのものがスタッフの問題解決力や論理的思考力を向上させることも大きなメリットとなります。さらに活動でのコミュニケーションは、チームワークを高め、組織の活性化を促します。
品質向上を依頼先の企業だけに任せるのではなく、派遣会社や請負企業が率先して行うことで、依頼先の企業からの信頼を得ることができます。特に製造全行程を担当する請負に関しては、請負先企業の品質向上力は必須です。
またQCサークル活動を通して、派遣や請け負いのスタッフ一人ひとりが品質向上を認識することは、全体的な生産性や品質が上がるだけではなく、同時に長期的な人材の育成にもつながります。